ということで、今回は昭和のマジック本について紹介したいと思います。
これは、学研から出版されていた「ジュニアチャンピオンコース」というシリーズの中の一冊です。
いわゆる小学生以下の子供たちをメインターゲットにしたシリーズです。
昔はこういうシリーズものって、小学館もあったりしたんですけどね。今はほとんどないですね。まじめな学習系のシリーズが増えましたね。
で、この本なんですが、当然子供向けの入門書になります。
しかも、基本的にギミック使用のマジックのみに集中しています。マジック用のカードもついていますしね。
カードの写真として、山口百恵、桜田淳子、森昌子、が使われているのは時代ですね(笑)
それに、今の目で見ると、結構なネタの解説をしています。
私が見ただけでも、
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- アラビアンカード
- 「残念でした」の原型
- Do as I Do
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などです。さらには本格的なものには
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- チャイニーズステッキ
- メンタルエピック
- タンバリン的なもの
- 原始的なシャイナー
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なんかです。これらのネタも構造から作り方まで解説しています。
今となれば、宝の山? ですねwww
内容としてはテクニックを駆使するようなものはありません。
まあ、それも仕方ありません。
この本の初版は昭和51年(1976年)です。クロースアップマジックが今のように隆盛の時代とは違います。
テンヨーのターベルコースインマジックもまだ完結していない頃です。
今の視点からしても中々珍しい構成の本だと思います。
今だと絶対許されない内容ですねw
さて、ちなみにですが、この本による自身の経験から動画サイトやテレビなどによる種明かし垂れ流しは絶対反対派です。
なぜなら、私はこの本で、チャイニーズステッキのネタも現物を買わずして知っていました。
だから、ディーラーの実演で演技をみても、
「あっ、あの本に載ってたあのネタだ」
とすぐにわかってしまい、これを購入したのはかなり後年です。
結果として、今でもマジックに興味を持ち続けていますが、一つ違えば興味は失ったままになっていたと思います。
最近はYoutubeでYoutuberモドキともマジシャンモドキとも言ええぬ人たちが種明かしを垂れ流し状態ですが、基本的にそういう賛成派の人たちは、「マジック人口をもっと~、マジックをもっとメジャーに~」とかいうんですが。
それ以上に、私は
「普通に観客となってくれるはずの人たちを失っている」
と思っています。
「一円の儲けのために千円の損をし続ける」
というのが種明かしの現状だと思います。
マジックは他のエンタメと違い、「だまし・だまされ」という人間の負の感情部分を「楽しかった」という正の感情に転換させるという特殊さ・難しさがあると思います。
落語や漫才のように、笑いたい・楽しみたい、という感情を先走らせてみてくれるエンタメとは別物です。
中には、「種明かししても芸の力で~」なんていう人もいるんですが、いや、自分の芸の力ってwww
というのが正直な今の考え方。