「マジック界の哲学者」として世界中のマジシャンや愛好家から尊敬されているユージン・バーガーのマジック作品集。著作5冊の中から選りすぐった32作品と7本のエッセイ、ショウとしての降霊術の解説を収録。。カウフマン氏からのナビケートも付して解説。
ということで、本の紹介です。
つい3月下旬に東京堂出版より発売された本になります。
さて、ユージンバーガー氏というと、皆さま、どんなイメージをお持ちでしょうか?
私などは、どうしても「ビザー・マジック(bizzarre magic)」のイメージが強すぎるんですが。
どうやらこれは、氏が昔に発表したレクチャービデオ(そう、DVD以前のものです)のなかの
「Eugene goes to bizzare」
のイメージが強すぎたためみたいですね。
ちなみにビザー・マジックというのは、この本の訳者あとがきによると
原始魔術を彷彿とさせ、本当の魔法のように見せる不気味なマジックのこと
だそうです。
自分は今までビザー・マジックというのが、いまひとつピンときてなかったのでこれで、「やっぱり、そういうことなのか」と思ったりしました。
日本人にピンとくるように言い換えるなら、「オカルトマジック」ってところなんですかね。
さて、本の内容に入ります
本は、氏を代表する演技や考え方を記載したエッセイが軸になります。
訳者が、記載するマジックの選定に苦労した、との言葉通り、記載されているマジックおよび解説は素晴らしいものです。
特に解説部分などは、氏の考え方などもしっかり記載されています。
また、エッセイの部分などもしっかり読まれることをお勧めします。
解説も必要に応じ、訳者が説明を追加しています。しかも物によっては結構な量です。
解説されているマジックは一見すると、ありきたりなマジックに見えて読み飛ばしそうになるかもしれませんが、いずれも細部にまで氏の考えが反映されています。
この本は、ただ単に手順を学ぶ本ではなく、氏の考え方を知り考えることのきっかけになる本だと思います。
安くはない本ですが、ぜひ購入し、しっかりと読んでほしい本だと思います。